平成27年3月17日(火)「モバイルフォーラム2015」が日経カンファレンスルームで開催された。
1年前の「MVNO2.0フォーラム」では「低廉かつ多様なモバイルサービスの普及・促進に向けて」がテーマだったが、その後、様々な事業者によるMVNOサービスが始まり、さらなる期待が高まっている。今回は「今、ユーザが望むモバイルサービスとは」をテーマとし、以下のような盛り上がりを見せた。
当日の模様:http://www.ustream.tv/channel/mvno20150317
総務省 総務副大臣 西銘 恒三郎
【趣旨】
ICTはあらゆる産業の基盤として経済を活性化させるものである。特にモバイル市場はすそ野の広い産業であり、また、社会活動の基盤として国民生活の向上のため重要な役割を担っている。総務省はICT基盤の普及・発展を図るべく、法制度整備への取り組みを推進している。昨年の12月にはSIMロック解除ガイドラインを改訂した。
昨年の「MVNO2.0フォーラムから1年」さまざまなサービスが始まる中、今後のさらなる料金の低廉化、M2MやIoTといったサービスの多様化により、モバイル市場全体の活性化を期待するとともに、総務省としても後押ししていきたい。
(一社)テレコムサービス協会 会長 是枝 伸彦
【趣旨】
数年前から日本のICT業界が世界を引っ張ると思っていたが、残念ながらまだそこまで至っていない。その潜在能力はICTに係わる皆様の中にあると信じている。テレコムサービス協会はその先陣を切って前へ進んでいきたい。
またモバイルはこれからのICT社会を牽引する最大のパワーと思っている。その意味でもこの「フォーラム」をどんどん大きくしていくので、今後とも皆様のご協力をお願いしたい。
ジャーナリスト 石野 純也
様々な要因により注目を集めるMVNOだが、そもそもその仕組みが伝わっていないのではないかという課題を提示し、今後、価格以外の軸を打ち出すことが急務であると語った。
(株)三菱総合研究所 主席研究員 西角 直樹
この1年で起きたこととこれからの方向性を示し、IoTや地方創生という社会・産業・生活との融合によるビジネス多様化についての期待を述べ、それぞれのWin-Win関係による創意工夫が必要とコメントした。
(一社)テレコムサービス協会 MVNO委員会 日本通信(株) 代表取締役 副社長 福田 尚久
MVNOの使命は携帯事業者ができない・やりたくない通信サービスを提供することと話し、これまでの日本通信(株)における様々な取り組みを紹介するとともに、数多くの企業が全員参加で取り組むことにより、MVNOは格安だけではない新しい価値を提供できると明言した。
<< 休憩 >>
休憩時間には、会場後方にはMVNO委員会所属企業によるスマートフォンなどの展示が行われ、西銘総務副大臣はじめ多くの方がデモ機に触れたり熱心に質問をする姿が見られた。
展示企業(50音順)
〇 モデレーター
クロサカ タツヤ (株)企 代表取締役
〇 パネリスト(モデレーター側から)
石野 純也
ジャーナリスト
長田 三紀
全国地域婦人団体連絡協議会
事務局次長
島上 純一
(一社)テレコムサービス協会 MVNO委員会副委員長
(株)インターネットイニシアティブ 常務執行役員
橋本 昌一
イオンリテール(株)
住居余暇商品企画本部 デジタル事業開発部部長
新井 優司
シャープ(株)
通信システム事業本部 副本部長
阿佐美 弘恭
(株)NTTドコモ
取締役常務執行役員 経営企画部長
「モバイルの更なるサービス充実・多様化に向けて~MVNOは「格安スマホ」なのか?~」と題し、「MVNO拡大にむけて事業者が取り組むべきこと」「消費者からの支持を得るために必要なこと」の2つの大きなテーマについて、議論が交わされた。
MVNOの普及にともなって、現状でも「わからない」という消費者も増えている。今後、家電への展開などさらにサービスが多様化への期待が語られる一方、対象となる消費者の幅が広がっていく中、販売店、MVNO、MNOなどを含めた全体でのサポートの流れや消費者保護の仕組みの必要性が論じられた。
最後に「今後もこうした問題については議論を継続していく必要があるということ」また「今は事業者としてMVNOに対するさまざまなポジションを取る余地があり、いろいろな事業展開の可能性がある」とまとめられ、終了となった。
(一社)テレコムサービス協会 MVNO委員会委員長
ビッグローブ(株) 取締役執行役員常務 内藤 俊裕
ご来場、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
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