2021年4月5日
この度、一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)によって「権利侵害明白性ガイドライン(第1版)」が策定・公表されましたので、お知らせいたします。
この「権利侵害明白性ガイドライン(第1版)」は、「発信者情報開示関係ガイドライン」の「第IV章 権利侵害の明白性の判断基準等」のうち名誉毀損の類型(11~13頁)に関連して、プロバイダによる権利侵害明白性の判断の参考とすることができる資料として位置付けることができます。「発信者情報開示関係ガイドライン」で紹介した裁判例とともに、裁判外(任意)開示の可否判断に際し必要に応じてご参照ください。
なお、「権利侵害明白性ガイドライン(第1版)」は、総務省より公表された「発信者情報開示の在り方に関する研究会 最終とりまとめ」(2020年12月22日)において、被害者救済の迅速化のために、権利侵害が明らかな場合には裁判外(任意)でプロバイダから発信者情報の開示がなされることが望ましく、裁判外(任意)での開示が円滑になされるようにするための方策を講じるべきであるという指摘、および、一方で、プロバイダにおいて権利侵害の明白性判断は容易ではなく「民間相談機関の充実や裁判事例のガイドラインへの集積といった方策が民間主導で進められ」ることが適当である旨の記述を受け、策定・公表されることになったものです。
第1版においては、名誉毀損類型で権利侵害明白性が認められる全てのケースを網羅するものではなく、プロバイダにとって特に判断しやすい類型(一般私人の私生活上の行状に関する投稿であって当該私人の社会的評価を低下させるものなど)を示したものとなっています。SIAにおいては、民間相談機関の開設などの取組がなされることから、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会としても積極的な情報交換を行いながら、適切な発信者情報開示の在り方を模索して参ります。